ホームラン 2005 5 4
野球選手ならば誰でも、ホームランを打ちたいと思うでしょう。
しかし、現実にホームランを打てたことが、
野球選手にとって、プラスになるとは限らないのです。
ホームランバッターならば、それはプラスになるでしょうが、
中距離打者の場合、どうなるか。
たまたま、中距離打者がホームランを打てたとすると、
やはり、次の打席に影響します。
つまり、スイングが大振りになってしまうのです。
こうして、今まで、確実にヒットを稼いできた中距離打者が、
自分の理想のスイングを忘れて、雑なバッティングになってしまうのです。
これは、株式投資にも言えることです。
たまたま、仕手株で大儲けすると、どうなるか。
今まで、コツコツと確実に稼いできた個人投資家が、
こう変わってしまうのです。
「コツコツと利益を確定していくことが、バカらしくなるのです。
つい大儲けを狙って、小幅な株価上昇では満足できなくなるのです。」
しかし、こうなると、自分の投資スタイルが崩れてしまい、
大勝もあれば大敗もあり、雑な株式投資となってしまうのです。
どうして、自分の投資スタイルが、こんなに崩れてしまったのか。
それは、たまたま仕手株で大儲けしたからです。
このように、ホームランを打てたことが、必ずしもプラスとは言えないのです。
正確に憶えていませんが、
仏教には、「小欲知足」という教えがあります。
小さな欲で、満足する。
経済が右肩上がりの成長の時は、「大欲」を狙ってもよいでしょうが、
不確実性の時代と言われる現代では、「小欲」で行くべきでしょう。